プロッター用カッティングマットを格安で自作!使用後の再生法も紹介
カッティングプロッターを使用する際に使う道具に、カッティングマットというものがあります。ベタベタする素材でできており、カットしたい材料を貼り付け、マットの上でカットします。
カッティングシートやステッカーなど、台紙を残してシール部分のみをカットすることをハーフカットと呼びますが、その場合にはカッティングマットは不要です。
問題なのは、台紙部分もカットする全カット(ダイカットとも言うのかな?)の場合です。刃出し調節やカット圧の調節で、台紙もろとも両断することも可能なのですが、その場合材料を貫くため、プロッター本体に傷がついてしまいます。それを防ぐために、今回取り上げているカッティングマットという道具を使います。
ハーフカットの際も、カッティングマットを使用することで、材料のカット可能範囲を多く確保することができます。
非常に便利な道具なのですが、使用を続けるにつれて傷が付き、粘着力は弱まり、細かいカスが材料に付着したりしてきます。そのため、何ヶ月かに一度新調するのですが、メーカー純正のカッティングマット(以下、「純正」と表記します)は、消耗品としては少々お高め。しかも、粘着部分はボロボロだけど、樹脂部分はまだ使える、という状態のものが多く、捨てるのはもったいない。
なんとか再利用できないか、もしくは格安で自作できないか、と試行錯誤を繰り返し、やっと一定の水準を超える自作カッティングマットが出来上がりましたので、再生方法・作成方法をご紹介したいと思います。
まずは樹脂部分を買って来て、新規で作成する方法をご紹介します。ページ下部にて、再生方法もご紹介致します。
※この記事で紹介する方法は、メーカーは推奨しておりません。機械を破損したり、保証対象外となるケースもございます。また、純正ほど精緻に作ることもできません。あくまでも自己責任にて導入をご検討下さい。
手順1:樹脂シートを準備する
まずは近所のホームセンターで、樹脂シートを買って来ます。今回用意したのは、厚さ0.2mmのポリプロピレン樹脂シートです。1枚あたり税込み300円程度で買えます。
純正よりやや柔らかい素材です。硬質塩ビシートの方が向いているかも知れません。
おそらく画像のように丸めた状態で販売しておりますので、まずこれを平にします。
画像のように四隅に重しを乗せ、1時間程度放置すれば、平らになってくれます。
2022年10月12日追記
記事掲載当時は樹脂フィルムで制作しておりましたが、ここ最近はラミネートフィルムで代用しております。
ラミネートフィルムは厚さが様々ありますが、150μmがちょうど良いようです。
ラミネートフィルムに何も挟まず硬質化させ、その上に両面粘着シートを貼ります。
A3サイズのラミネートフィルムを2枚貼り合わせてA2サイズのフィルムにすれば、A3サイズをカットできる大きなカッティングマットを作る事ができます。
ただ、ラミネートフィルムの注意書きに「空ラミネートはできません」という注意書きがありますので、試す場合は自己責任でお願い致します。
手順2:樹脂シートをカットする
次に、使いやすい大きさにカットするのですが、その前に純正の形状を確認します。
これが純正のカッティングマットです。大きさを比べるために、カット前の樹脂シートの上に重ねてみました。
カット前は、なかなかの大きさですね。
ちなみに、純正のサイズは、次の画像のようになっていました。
上下左右に余白があるのが分かります。左右の余白部分は、カッティングプロッターのタイヤが通る部分です。
このサイズを元に、平に均した樹脂シートをカットしていきます。
不要な部分をカットし、純正とほぼ同じ大きさの樹脂シートができました。左側がカットした端材、右側がカッティングマットとして使用する本体部分です。
手順3:両面粘着シートを準備する
両面粘着シートを、A3サイズにカットします。
片面強粘着、片面再剥離タイプの両面粘着シートを使用します。
弱粘着の両面テープや、弱粘着のスプレー糊で試しましたが、どちらもうまくいかず、試行錯誤の末に両面粘着シートに辿り着きました。ちなみに今回使用している両面粘着シートは、A3サイズ1枚換算で税込み250円程度です。
手順4:両面粘着シートを貼り付ける
位置に気を付けながら、樹脂シートの上に両面粘着シートを置き、マスキングテープで動かないように仮止めします。
次に両面粘着テープの剥離紙を下2cmぐらいカットし、シール部分(強粘着側)を樹脂シートに貼ります。分かりにくいですが、上の画像は下2cmほど樹脂シートに貼り付けてあります。
そして全体を樹脂シートに貼り付けて行きます。この時、スキージーなどを用いて手作業で貼ることもできるのですが、その方法だと空気が入りやすくなってしまいますので、今回はコールドラミネーターを使用しました。
この方法なら、空気も入らず綺麗に貼り付けることが可能となります。
手順5:樹脂シートに角丸を施す
現状では、樹脂シートの四隅が角状になっているので、角丸くんを使って角を丸めます。
※画像をクリックすると、Amazonの商品ページに遷移します
角を丸くしておけば、作業中も安全に使用することができます。今回はLサイズで角丸しました。
ちなみにこの角丸くん、とても便利です。名刺などを簡単に角丸にすることができます。
なお、完成したカッティングマットですが、両面粘着シートの種類によっては、最初は粘着力が強すぎて、カット後に材料が綺麗に剥がせない場合があります。その場合は手で触るなどして粘着力を調整してからカットすることをお勧めします。
次に、古くなったカッティングマットを再生する方法をご紹介します。
再生法:粘着部分をこそぎ落とす
古い粘着部分を樹脂シートから除去していきます。弊社で使用しているのは、こちらのシール剥がしです。
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これを、古い粘着シートにまんべんなく塗って数分間放置します。強烈な匂いがしますので、換気しながらの使用をお勧めします。
次に、スクレーパーを使って古い粘着シートをこそぎ落としていきます。
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金属の刃を使ってしまうと、樹脂シートも切れてしまうので、プラスチック製の刃を使用するようにします。根気のいる作業ですが、コスト削減のために頑張りどころです。
綺麗に剥がせたら、上記の手順3に戻り、両面粘着シートを貼り付けます。こうすれば、3周ぐらいは使えますので、ランニングコストを抑え、ゴミの低減にも繋がります。
弊社では新規・再生合わせて20枚以上、今回ご紹介した方法でカッティングマットを作って使用しておりますが、問題なく製品をカットできております。
再生する場合はA3サイズ1枚あたり税込み300円ちょっとで作成可能です。
新規で樹脂シートから作る場合も、A3サイズ1枚あたり税込み500円ちょっとで作ることができます。
慣れれば数時間で終わる作業です。純正はA3サイズ1枚あたり2,000円前後するので、かなりコストを抑えられるのではないでしょうか。